サンワ・リノテック株式会社

社内幹部から抜擢をする事業承継

信頼できる幹部への承継。
想いを明確に記すための伴走。

Talk with サンワ・リノテック株式会社

プロジェクトの概要

サンワ・リノテック株式会社

1955年塗装用品の販売会社として創業。建設機械のレンタルを中心に成長し、アスベスト問題に積極的に取り組むことによって独自のポジションを形成。2代目社長から社内幹部であった現社長を任命し、経営計画と幹部育成を行いながら2021年に3代目として事業承継を完了。

Client


代表取締役社長 
安部 秀治

取締役会長
佐川 博敏

Partner


株式会社リガーレ
代表取締役
/税理士・コンサルタント
松本 綾

御堂筋税理士法人
/税務コンサルタント
神﨑 慧

事業承継・M&Aの背景

経営計画策定〜実行を通して、事業承継へ。

松本:サンワ・リノテック様との出会いは、リガーレの母体である御堂筋税理士法人が主催する経営計画策定セミナーへの参加でした。そこから、継続して経営計画の策定と実行のPDCAに取り組んでこられていますね。

会長:そうですね。松本さんとの出会いは同業界の勉強会に来られていて、初めてでしたがたくさんお話をいただいて、後日わが社の経営会議にも参加していただいて、簡単なセミナーをしていただきました。

社長:当時私は営業部長の肩書きでしたが、3ヵ年の計画と実行について、ていねいに伴走していただいたと思います。複雑な課題もフレームワークでわかりやすくしていただいたり、少し背伸びした計画を提案して視野を拡げていただきながら、しっかり地に足をつけて経営ができたと思います。

神﨑そこから、安部社長が後継者指名を受けられて、事業承継のアクションにつながり、2020年6月から正式にスタートしていますね。登記・実務の方は2021年7月に完了しています。

事業承継・M&Aの課題

お互いの想いをすり合わせ、具体的な約束へと発展させる。

神﨑まずは、会長と奥様にお話を伺い、そのあと条件を伝えつつ、安部社長からも条件を出していただき、どういった調整が必要かを整理していきました。いざとなるとお互いに面と向かって言いにくいことだったり、こんなこと伝えていいのかな・・・などデリケートなこともありますが、きちんと整理してすり合わせていくことが重要ですね。

社長:一番伝えたことは、役員の指名権。人事権のところです。これから自分の時代として組織をつくっていくうえで、今いるプロパーのスタッフを引き揚げて一緒にやっていきたい、という想いもあって、そこは自分の意思が反映されるように考えてもらいました。

会長:私のほうからは「おもしろおかしく 人に笑顔を」という社是を引き継いでほしいことや、妻は役員として事業にも直接関わっていたいので、私たちが突然解任されたりしないかなど、リアルな不安も含めて神﨑さんに聞いていただきました。

社長:条件面のすり合わせはもちろんでしたが、会長が社長としてされていた仕事や人間関係、細かく言えばハンコのつき方くらいまで棚卸しをして。さらに私の仕事もまた部下に引き継ぐ必要もありましたので、こういった条件面の難しい事柄の整理から実務までサポートいただけることは本当に助かりますね。

課題に対する解決策の提案

属人的株式という手法で、お互いの条件を実現させる。

松本:明確にしておくべき条件や取り決め、たとえば役員の指名権の領域等については、社長の議決権を大きくするということを属人的株式という手法で明確にしました。
また、社長としての報酬の基準であったり、任期について、定款を改訂し明記することで、クリアにしていくことをご提案しました。

会長:人に属する株式・・・というのも初めて聞きました。いろいろなやり方があるんだなと感心しましたし、そんな細かな部分まで定款に残していくんだなと驚きもありました。

社長:受け継ぐ側としては、報酬面等は少しデリケートな部分だったので、業績に連動して上げるルールになっているのですが、その下限上限まで詰めていただいたので、変な気をつかう部分が減って気持ちが楽になりましたね。

神﨑今回はもともと、すべて譲渡制限のある種類株式が発行されていましたので「属人的株式」という手法もスムーズにとることができてよかったです。

属人的株式とは?

発行されているすべての株が譲渡制限付きの株式の場合に設定が可能なルール。
特定の人物が持っている株式において、指定した決議内容に関しては、1株あたりの議決権の量を変更することができる。
そうすることで、経営上の意思決定をスムーズに行えるようになる。
例:)社長個人が持っている株に関してのみ、1株あたりの議決権100個とする等

事業承継・M&Aのその後(PMI)

培ってきた経営計画から時代に合わせた変化を。

会長:これからは、我々が現場から抜けて、組織の体制が変わっていくなかで新たな幹部も育てて、仕事をどんどん引き継いで、それでも業績を上げていけるようにしていかなければいけませんね。

社長:そうですね。今よりもっといい環境で社員が気持ちよく働けるように、時代に合わせた変化が必要です。そこにみんなでアンテナを張って、機会をつくって、達成していけるようにしていきたいと考えています。

神﨑経営計画と実行に関しても、7年以上、3ヶ年計画の3周目ですね。実際にその計画をしっかり遂行して、目標を達成して成長されていることは本当にすごいなと成果を出す組織力をリスペクトしています。

社長:そうですね。これからも良い部分は継続をして、発展していきたいと考えています。リガーレと御堂筋税理士法人は船の特等席にエレベータで連れて行ってくれる、という感じでしょうか。(笑)目標に向かって伴走してくれる、心強い存在だと思っています。

アフタートーク

松本:会長は息子さんもいらっしゃいますが、後継者に安部社長を指名した。その背景について教えていただけますか?

会長:息子はまだ年齢的にも人生のタイミング的にも他社で仕事をしていて、いきなり引き継がせるというのは難しいなと。そういった判断もありましたが、なにより安部の人徳、正直さというところは信頼できたので、5年ほど前から安部に任せたいと考えるようになりました。

神﨑:ずっとお付き合いしていて、会長は「自由な創造者」で情報収集をして、いろいろなアイデアを出されることが得意で、社長はそれをいかにしっかり実行していくか、現場でのコミュニケーションをとっていく。おふたりはとてもバランスが取れていますよね。

社長:会長に引き継いで欲しいとは言っていただきましたが、心のどこかで息子さんが帰ってくるんじゃないかな?と考えていた部分もありました。でも実際に2020年から事業承継のために動き出してからは断るとか、やりたくないといった気持ちはなく、どうやったらうまくいくか?ということに向き合いながら来ました。きっかけがあり会長に誘われてこの会社に入りましたが、これまでの過程は会長と「家業から企業になれるか」、というベクトルをもって一緒にやってきた、というふうに捉えています。

会長:そういうこれまでのプロセス含めて、安心して任せられると思っています。社長にもしっかり頑張ってもらって、私はセカンドライフとして、時々は力になれることはやらせてもらいたいですが、大好きな旅行に行かせてもらえる時間もできそうなので、うれしい限りです。

  • 中小企業M&Aのプロに相談したい!
  • 自社がいくらで売れるのか知りたい!
  • デューデリジェンスについて相談したい!
  • 会計や相続対策をスムーズにしたい!

中小企業のM&Aに関するお悩みすべて解決!
買収・売却問わずワンストップでサポート!
中小企業ならではのお悩みに寄り添います!

税理士法人発、M&Aのプロが
あらゆるケースに対応します。

WEBからの無料相談はこちら

TEL06-6205-8962平日9時〜18時