事業承継税制とは?メリット・デメリットから注意点まで紹介

事業承継税制とは?メリット・デメリットから注意点まで紹介

事業承継において、最終的に相続税や贈与税の納税が免除される可能性のある制度があります。

それが「事業承継税制」です。

この制度はよく「相続税や贈与税の納税が免除になる制度であると紹介されますが、実際には2階建ての制度であることを理解しておく必要があります。

すなわち、まずは事業承継を受けた後継者が相続税や贈与税の納税を一定の条件のもと猶予される制度が一階部分にあたり、将来的にさらに一定の要件を満たすことによって、その後継者が本来支払うべきであったはずの各種税金の納税が免除になる、という制度なのです。

ここでは事業承継税制について制度のあらましからメリット・デメリットをご紹介し、最後に注意点もご紹介していきます。

事業承継税制とは

冒頭でも述べた通り事業承継税制とは、事業承継において発生する相続税や贈与税といった税金の納付を特定の条件下で猶予してもらえる制度であり、尚且つ、いくつかの要件を満たすことによって本来納付が必要である相続税や贈与税が全額免除される制度です。

この制度を説明するにおいて、非常に重要なポイントがあります。

事業承継税制は、現在の経営者が後継者を指定し、事業承継を実際に行うことがまず第一の要件となります。

また、そこからさらに現在の経営者を「初代」と仮定したときの「2代目」に事業承継をした後「3代目」の人物に事業承継を行い、事業を継続させることが二番目に重要なポイントとなります。

つまり初代と2代目、そして3代目の経営者がそろって初めて、この制度がフルに使えることになるわけです。

ただし、事業承継税制は冒頭でも述べた通り「二階建て」とも言える制度の仕組みです。まず初代経営者から2代目の経営者に事業を承継する際、2代目の経営者が3代目の次期後継者に事業を承継することを明らかにしていれば、現段階では3代目の後継者が未定であっても、まずは納税の猶予という恩恵が受けられます。
つまり事業承継税制は初代から2代目の事業承継の段階では納税が猶予されているに過ぎず、3代目への事業承継が確定しない限り、税金が免除になる事がないことになります。

事業承継税制活用のためのポイント

まず、この特例事業承継税制については、時限立法であり活用できる期間が限定されています。現時点では、適用期限が2027年12月31日までの相続・贈与について適用されます。 また、事前の特例承継計画の提出期限についても2023年3月31日でしたが、1年延長され2024年3月31日となっています。次に、適用のための要件については①先代経営者の要件②後継者の要件③対象会社の要件として定められています。

【先代経営者の要件】

  1. 過去に代表者であったこと。
  2. 先代経営者と同族関係者で議決権割合の50%超を有し、かつ後継者を除いた同族関係者内で筆頭株主であること。​
  3. 贈与時に代表権を有していないこと。​

【後継者の要件】

  1. 贈与時に代表者であること。
  2. 18歳以上であり、かつ役員就任から継続して3年以上経過していること。​
  3. 後継者が1人の場合 ・・・ 同族関係者の中で筆頭株主であり、贈与時から贈与税申告書の提出期限まで引き続き当該株式のすべてを有していること。

※最大3名までの後継者(親族以外の後継者も含む)に適用

【対象会社の要件】

  1. 中小企業者であること。(特定特別関係会社についても判定が必要)
  2. 上場会社、風俗営業会社でないこと。(特定特別関係会社についても判定が必要)
  3. ​常時使用する従業員が1名以上であること。​
  4. ​後継者以外の者が拒否権付株式(黄金株)を有していないこと。​
  5. ​資産管理型会社(資産保有型会社、資産運用型会社)に該当しないこと。​

事業承継税制のメリット

事業承継税制を利用することにおけるメリットはまず、納税が猶予されることと最終的に相続税や贈与税が免除される可能性があることに尽きるでしょう。3代目への承継がポイントになります。

これによって、事業を承継した側の金銭的負担が軽減され、相続や事業承継による事業継続リスクが軽減されます。

相続時精算課税制度を併用することにより、納税猶予取消リスクに備えことも可能となります。

事業承継税制のデメリット

事業承継税制のデメリットについて解説します。

具体的なデメリットとしては、事業承継税制を使った後、株式を譲渡する場合など事業承継税制の要件を満たさなくなった場合に猶予されていた税金の納付が必要になるケースがあることが挙げられるでしょう。この場合には、利子税を加えた猶予額全額納付が必要になることがあります。

また、 納税猶予が免除されるまでは、一定の要件を維持して​いることを報告するため、承継期間中は「継続届出書」​を所轄税務署に、「年次報告書」を都道府県に提出する​必要があります。承継期間経過後は3年に1度、所轄税​務署に「継続届出書」を提出し続ける必要があります。

事業承継税制の注意点

事業承継においては、事業承継税制のみならず、さまざまな選択肢があります。

そのため、事業承継税制を検討する際には専門家へ相談し、わが社にとってベストな選択であるかを確認することが重要です。

事業承継税制活用がわが社の事業承継においてベストな選択である場合には、冒頭に述べた期間にいて活用できるよう、速やかにアクションをおこす必要があります。

まとめ

今回は事業承継税制について制度のあらましからメリットやデメリット、また注意点までご紹介してきました。

結論から言えば事業承継税制は、事業を継続する上で非常に有用な制度ではあります。

しかしその一方で、納税の猶予から将来的には税金の納付免除といった大きなメリットもある分だけあり、リスクもあり慎重な検討が必要です。

事業承継税制活用をご検討の場合には、ぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。現状を分析し、レポーティングさせていただきます。

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