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警備業界の売却相場は? M&A成功事例から学ぶ「警備員流出リスク」を防ぐ交渉術

クリーニング業界においては、後継者不在、経営再建、経営の安定化を目的としたM&Aが活発に行われております。
この記事では、クリーニング業界におけるM&A動向、M&A成功に向けたポイント、最新事例について解説します。
目次
クリーニング業界においては、「後継者不在」「経営環境の悪化」を理由に、中小規模のクリーニング会社が大手の傘下となることが盛んにおこなわれております。
資本力のある大手クリーニング会社が既存エリアにおける市場浸透戦略をベースに中小規模のクリーニング会社を譲受するケースが最も多い傾向にありますが、中には新たにクリーニング事業へ参入するためのM&Aも展開されています。
ここではクリーニング業界の市場動向、取巻く環境について解説します。
この記事におけるクリーニング業界はクリーニング事業を営む企業郡を対象としております。
クリーニング業とは、顧客から預かった衣類・寝具・カーテン等の繊維製品を、業務用の洗浄機器を用いて洗濯・仕上げ加工して返却するサービス業を指します。
業界の特徴は、衛生水準の確保を目的とした法規制が敷かれている点です。事業を営むには「クリーニング業法」に基づく届出が必要であり、各営業所には所定の試験に合格した「クリーニング師」を最低1名配置しなければなりません。これは単なる業務資格ではなく、都道府県知事による免許制の国家資格にあたります。
ビジネスシーンにおけるドレスコードの緩和や、洗浄性能の高い家庭用洗濯機の普及により、個人がクリーニング店に持ち込む機会は着実に減少しています。一方で、店頭に立ち寄らずに利用できる宅配集荷サービスの拡充、深夜帯や早朝にも受け取り可能なセルフ受渡しボックスの設置、LINEや専用アプリからの注文・決済対応など、業態転換とDX対応が進んでいます。ただし需要減のスピードは速く、業界全体の事業所数は20年余りで概ね半分の水準まで縮小しました。
今後は資本力のある大手への集約と、宅配・無店舗型を中心とした業態シフトが一段と加速すると見込まれます。
矢野経済研究所が2026年4月に公表した最新調査によると、2025年の国内クリーニング関連市場規模(一般家庭向けクリーニング店・コインランドリー・無店舗宅配型の合算、事業者売上高ベース)は2,799億7,000万円となり、前年比0.4%減と微減で推移しました。
販路別の内訳を見ると、明暗がはっきり分かれています。店頭型のクリーニング店は1,540億円(前年比1.3%減)と縮小が続いている一方、コインランドリーは1,155億4,000万円(前年比0.9%増)と堅調を維持。無店舗・宅配型は104億3,000万円(前年比0.4%減)とほぼ横ばいで推移しました。
注目すべきは、関連市場全体に占めるコインランドリーの構成比が4割超に達し、店頭型クリーニング店の規模に肉薄している点です。共働き世帯の増加や住宅事情の変化、花粉症・ダニ対策といった衛生意識の定着がコインランドリー需要を強固に支えており、カフェなどを併設した異業種提携型店舗の出店増も市場を活性化させています。
需要減退の背景には、消費者の生活様式と衣料品をめぐる環境の構造的な変化があります。
第一に、リモートワークの普及によりビジネスウェアの着用頻度そのものが減少したこと。第二に、ウォッシャブル仕様のスーツや形態安定加工シャツの普及で、自宅洗濯で済ませる層が急増したこと。第三に、家庭用洗濯機の高性能化により、外注に頼らずとも一定の仕上がりが得られるようになったことが挙げられます。
加えて、コインランドリー業態の進化も無視できません。業務用クラスの大容量洗濯機や乾燥機を備えた最新型コインランドリーが郊外を中心に増えており、布団・毛布・カーペットといった、これまで家庭洗濯が困難だったアイテムまで取り扱えるようになっています。特に20〜30代の世代では「コインランドリーで十分」という認識が定着しつつあります。
これらが複合的に作用し、クリーニング店の市場規模は中長期的に縮小局面が続くと予測されます。
国内クリーニング関連市場規模推移(販路別)

【参照資料】 ※1 株式会社矢野経済研究所「クリーニング関連市場に関する調査を実施(2026年)」 2026年4月13日プレスリリース(プレスリリース番号 No.4101) https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/4101 最終閲覧日:2026年X月X日
※2 総務省統計局「家計調査(家計収支編)」最新確報値 https://www.stat.go.jp/data/kakei/index.html
※3 厚生労働省「衛生行政報告例」最新年度版 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/36-19.html
※4 厚生労働省「クリーニング業の実態と経営改善の方策」(2018年3月)https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000501324.pdf
クリーニング業界が直面する課題は、「需要減退」「コスト構造の悪化」「担い手不足」の三重苦に集約されます。
第一に、消費者需要の長期的な減少は前述のとおりです。
第二に、事業運営コストの急騰が業界を圧迫しています。矢野経済研究所の最新調査(2026年4月)によれば、2024年以降、燃料費や洗剤・資材価格の高騰、人手不足に伴う人件費の上昇が、クリーニング事業者の収益を直撃しています。多くの事業者がサービス価格の改定に踏み切ったものの、上昇したコストを完全に吸収するには至らず、経営環境は厳しさを増しています。
第三に、経営者の高齢化と設備の老朽化が同時進行しているのも本業界特有の問題です。長年地域に根ざしてきた老舗店舗の多くで、店主の高齢化と後継者不在に加え、洗浄・乾燥機といった基幹設備の更新費用が経営判断の重荷となっており、設備故障をきっかけに事業継続を断念する廃業ケースが相次いでいます。
こうした構造的問題は、厚生労働省「クリーニング業の実態と経営改善の方策」(2018年3月)でも裏付けられています。創業からの経過年数を見ると、開業20年未満のいわば「次世代担い手」は3%程度しか存在せず、新規参入が極めて細っているなかで、現役経営者の世代交代も進まず、60代以上が約7割を占める高齢化した経営者層が業界を支えているのが実情です。事業所の経営形態も個人経営が過半を占めており、法人化されていない事業者では事業承継の選択肢が限られるため、廃業が現実的な選択肢となりやすい構造となっています。
このように、需要・コスト・人材の三方向から圧力がかかる現状において、独力での事業継続を断念する事業者の増加が、業界再編の動きを加速させています。これがクリーニング業界でM&Aが活発化している根本的な背景です。
クリーニング業界において、M&Aを活用した場合の主なメリットは以下の通りです。
1.後継者不在問題の解決
親族・経営者・従業員において、後継者として適任者が存在しない、株式取得資金の支払いが困難なことなどを理由に、事業承継を行うことができないケースが多々あります。
M&Aを活用することで、事業及び従業員・取引先等の経営資源を第三者へ承継することが可能となるため、後継者問題について解決することができます。
2.個人保証・担保提供の解消
親族や従業員への承継の場合、当該後継者が一人立ちできるまで、オーナー個人保証を継続せざる負えないケースが少なからず存在します。
M&Aにおいては、買手企業が変わり担保・保証の提供をすることによって、売手オーナーの個人保証・担保提供は解消されます。
3.従業員の雇用継続
後継者不在問題が解決しない場合の選択肢は、IPOを除けば「廃業」又は「M&A」の2つしかございません。
廃業となれば、長年会社へ貢献してくれた従業員を解雇しなければなりません。
一方M&Aを活用すれば、従業員の雇用・労働条件を維持することが可能となります。
4.経営の安定・拡大
買手企業は、売手企業より事業規模が大きく、財務の健全性も高いことが一般的です。
M&Aにより買手企業の経営資源も活用することで、オーガニック成長(自社リソースによる成長)に比べ、高い成長が期待できるほか、経営の安定化にも繋がると考えられます。
5.売却利益の獲得
M&Aによる価格と、親族内承継・従業員承継に伴う価格は評価方法が異なります。
また親族内承継・従業員承継の場合、後継者の資金負担を抑える必要性が生じるため、M&Aによる価格は、その他承継方法による価格と比べ高くなることが一般的です。
すなわちM&Aでは長年経営に従事し、会社を成長させてきた対価をきっちり得ることができると言えます。
1.同エリアにおけるシェア向上による収益改善
同エリアのクリーニング店を買収することで、エリアにおけるシェア向上が図れ、スケールメリットによる収益性の改善、価格競争力の優位性獲得等のメリットが期待できます。
2.店舗統廃合による、経営の効率化
M&Aにより、エリアが重複する店舗について統廃合を行うことで、経営の効率化が図れるメリットが挙げられます。
統廃合を実施することで、適正な人員配置、インフラ設備に係るコスト削減、物流コストの低減などによる収益改善が期待できます。
3.新規エリアへの進出
新規エリアへの進出を図るうえでも、M&Aは有効的であると考えられます。
自社で新たなエリアへ進出するためには、市場調査、不動産投資、行政への手続き、人材確保等相応の期間と費用が発生します。
M&Aであれば、ノウハウ・人材・顧客基盤等を包括で獲得することができる為、垂直立ち上げにて時間を掛けずに新規エリアへ進出することが可能となります。
クリーニング業界における売却相場は譲渡資産・負債(株式譲渡の場合は純資産)に加え営業利益もしくはEBITDA(営業利益+減価償却費)×2年~3年程度で取引先されることが多いです。
他の業界との違いは、評価手法でマーケット・アプローチによる類似業種比較法(類似上場企業倍率)が使用されないケースが多いことです。理由としては、上場しているクリーニング会社が少ない点、また上場会社においても赤字である会社も存在する為、倍率の試算が難しいといったことが挙げられます。
その為、クリーニング業界においてはコスト・アプローチ(時価純資産法等)を中心に評価されます。
なお、理論的に売却価格を算定する方法は別記事「会社の売却価格・相場とは?」で詳しく解説しておりますので、こちらをご参照ください。
ここでは、クリーニング業界における最近のM&A事例を3つご紹介します。
センコーグループホールディングス㈱(以下「センコー」)は、ダイヤクリーニング㈱(岡山)の全株式を取得し、2021年11月9日にグループ化した。
ダイヤクリーニングはクリーニング業界で売上10位前後、岡山県を中心に中四国エリア、兵庫県西部に約200店舗展開、地域に密着した強い事業基盤と高収益体質を築いる。
センコーグループは物流がコア事業であるが、多角化を推進しており、人々の生活をサポートする事業(ライフサポート事業)も展開している。
ダイヤクリーニングのグループ化により、ライフサポート事業における事業領域を拡大するとともに、グループ各社との連携による新商品開発などが期待できるとして、M&Aを実施した。
㈱きょくとう(福岡、上場)は、㈱ふなこし(福岡)、㈱かりん(福岡)から、両者の事業の一部である福岡県に展開するクリーニング取次所等を譲り受けた。(譲り受けた取次所等は、福岡県で48店舗)
福岡県におけるきょくとうの営業基盤を一層固めることを目的にM&Aを実施した。
北関東を中心にクリーニング業を展開する㈱ユーゴーの持株会社である力こぶホールディングスは、2018年に㈱タマサービス(クリーニング事業/茨城県)、2019年に沼崎洗化(クリーニング事業/茨城県)の株式を取得し、子会社化した。
力こぶホールディングスは、クリーニング事業主の高齢化に伴う事業承継の受け皿となるため、同エリアにおけるクリーニング事業会社を対象に積極的なM&Aを展開している。
基本方針は、地域に根差したブランドと社員、お客様の幸せを追求。ブランド再構築、マーケティング活動、人材育成、組織再構築、財務改善を行うことで、地域ブランドを一層輝かせることを目的にM&Aを実施している。
クリーニング業界でM&Aを行う際のポイントを売り手側と買い手側に分けて解説します。
1.事業成長の実現
売手企業が、売却後に一層の事業成長の実現が期待できるか否かが重要なポイントとなります。
期待できる買手であれば、双方シナジーが高いことが想定されるため、高値での売却に繋がります。
また、事業成長の実現が図れることは従業員の処遇改善や取引先の成長にもつながることが期待できます。
2.専門家のサポート
M&Aにおいては多岐に渡る専門知識が必要となります。
M&Aを成功させるためには、信頼できる専門家にサポートを依頼することをおすすめします。
1.シナジー効果についての調査
買手企業、売手企業双方にどのようなシナジー効果が期待できるかを精査することが重要です。
得意としているサービス領域、店舗数・商圏、業務フローの効率化やスケールメリットによるコスト削減が実現できるか等、具体的かつ定量的に分析・検証することが重要と言えます。
2.財務デューデリジェンスの実施
クリーニング店は、製造業(工場)と小売業(店舗)の二面性を持つ事業会社です。
小売業の側面からは顧客推移、単価推移の検証が必要となる他、製造業としての側面からは機械設備の老朽化、今後の設備投資等による投資キャッシュフローを検証することが重要と言えます。
また、PMIの観点からも店舗別損益の検証は必要不可欠であると考えられます。

クリーニング会社の売却・買収などをお考えの際は、まずM&A専門家へ相談しましょう。
専門家は、豊富な知識、経験をもとに、相談者にマッチする相手先の探索や、M&A手法の件・交渉サポートを行います。
弊社はクリーニング業界におけるM&Aに精通しているほか、財務デューデリジェンスにもご対応可能ですので、是非お気軽にご相談ください。
この記事の執筆

シニアアドバイザー清水洋伸
専門領域:M&Aアドバイザリー、財務・税務DD、財務コンサルタント、資金調達支援等
大学卒業後、大手銀行に入行。
M&A、事業承継、ファイナンス等法人ソリューション業務に約13年間従事。御堂筋税理士法人に入社後は、M&Aアドバイザリー業務を軸に、円滑な事業承継ならびに戦略的な企業成長を実現していくうえでのサポートを実施している。お客様に寄り添った伴走型支援を信条とし、お客様の成長・発展に貢献して参ります。
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